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2011年2月23日 (水)

定型発達症候群:健常者をラべリングする

私どもは、自閉症の概念が単なるラべリングであることを主張しておりますが、さらに一歩進めて、定型発達者をラべリングして症候群にした論文を見つけました。自閉症者を自閉症と診断することと、定型発達者を定型発達障害と診断することの間に本質的な差がないことに気づかされます。自閉症の診断基準の文章を一部そのまま使用しており、方向性が違うだけであることを強調しています。

Charlotte Browlow.   Re-presenting Autism: The Construction of 'NT Syndrome'  

J Med Humanit (2010) 31:243-255.

(皮肉たっぷりに記載された、定型発達障害の診断基準)

定型発達病の診断マニュアル(DSN-IV)コード番号666.00:定型発達障害

幼児期あるいは子供時代に始まる発達障害の重症型。必須の特徴は、

A.   社会的相互関係における非依存性の質的障害

  例) 苦悩時に、極端に、あるいは異常なまでに慰めを求める

B.  言葉あるいは言葉によらないコミュニケーションと想像遊びにおける質的障害

  例) 露骨に過度なコミュニケーションの全ての方法の使用、コミュニケーションのための喃語、顔の表情、ジェスチャー、真似、話し言葉など。過度に空想的で無意義な活動、大人役、ファンタジーキャラクター、動物などのごっこ遊びなど。コンピューターや他の論理的に遂行する遊びへの興味の欠如。

C.  著しく制限された活動と興味のレパートリー 

  例) 感知の持続的欠如、あるいは物体の部分に気づく能力がない。通常でない物への愛着(例えば、BMWの車、ローレックスの腕時計、携帯電話、ブリーフケースへのこだわり)。不合理な、他人への正確な細部の同一性の保持、例えば、買い物の時、正確に同じ社会的行動がいつも返されることにこだわる。

D.  幼児期あるいは子供時代に始まる

(N.I.)

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